Feature 6

MY HOME TOWN

VOL.01
宮嶌智子(株式会社Noum 代表)が
案内する繋がりが心地いい街、
“大阪・天満橋”。

  • Update :

    Apr 22, 2022

昔ながらの繋がりを大切にする
心地よい街。

知りたい街の情報はその街の人に聞くべし。原始的でシンプルな方法ですが、それで得る情報には裏付けがしっかりあり、普段そこにいるからこそ感じられる“肌感”みたいなものも含まれているので、もっとも信頼度の高い情報にたどり着けることが多くあります。ならば、私たちがいま知りたい街を、その街の人にガイドしてもらおうという完全なる他力本願スタイルでお届けする企画がこの『MY HOME TOWN』です。

 

記念すべき第一回目に選んだ街は、どうやら最近にわかに注目を集め始めているらしい大阪の天満橋エリア。日本三大祭の一つ、天神祭の中心地としてお馴染みの場所ゆえ、歴史的に由緒もあり、昔から居住されている人も多く、横の繋がりや人間関係の深さも感じ取れる街として知られています。そんな天満橋をナビゲートしてくれるのは、2019年に開業し、この街の人の流れを変えた『Hotel Noum OSAKA』を運営する株式会社Noumの代表、宮嶌智子さん。「着飾っていない部分やフラットに接してくれる方が多く、とても気持ちの良い街です」とこの街に魅せられた一人で、いまやすっかり“天満人”に。人の繋がりを大切にし、あらゆる道を切り拓いてきた宮嶌さんが見た天満橋はどんな街なのか。実際によく足を運んでいるというお気に入りの場所を訪れ、天満橋エリアの魅力を探ってみました。

NAVIGATOR

株式会社Noum 代表

宮嶌智子

 

東京と京都でホステルを運営する『Backpackers’ Japan』の創業メンバー。自分が理想とする新たなホテルを立ち上げたいと考え、2019年に『Hotel Noum OSAKA』を開業。4月末には東京・六本木にワークプレイス『Kant.』をオープン予定。現在は東京と大阪を行き来しながら、都市で心地よく生きるライフスタイルを提案し続ける。天満橋では、1人で飲み歩くこともよくあるという街のアクティブ派。

1. Hotel Noum OSAKA
心地よい光と風に包まれた
リバーサイドホテル。

大川の川沿いに佇む、風通しのいいホテル。温かみのある素材やカラーでコーディネートされた客室はどれも居心地がよく、川沿いならではの抜けのある景色が一望できるのも一興。「部屋数が50室とホテルとしての規模は小さい方なのですが、宿泊されるお客様の数が100名様くらいだと、それぞれの方のことをしっかりと覚えることができるので、私たちスタッフも気持ちよく接客させていただくことができるんです」と宮嶌さんが語る通り、小さすぎず大きすぎない、まとまりのあるサイズ感も落ち着きを与えてくれる要因に。1Fにはカフェ&ラウンジスペースがあり、宿泊者以外でも利用することができるので、普段使いしやすい環境もしっかりと。オープン4年目にして、早くも天満橋の活動拠点として重要な役割を果たしている。

  • 大川の景色が一望できる屋上スペースでは、ルーフトップサウナやヨガなどが体験できるイベントも開催される

  • 北浜にあるヘッドスパ『silta』がホテルの一室を改装し、昨年9月よりサービスを開始。蒸気によって全身を温めながら施術を受けることができ、個室空間ゆえのリラックス感を味わえる

Hotel Noum

大阪府大阪市北区天満4-1-18

TEL : 06-6940-0882

OPEN : 7:00-23:00(CAFE / LOUNGE)

HOLIDAY : 無休

URL : https://www.no-um.jp/

INSTAGRAM : @hotelnoum

※営業時間は変更となる場合があります。最新の情報はインスタグラムなどでご確認ください。

2. EMBANKMENT Coffee
歴史的建造物で味わう
浅煎りコーヒーの粋。

「おいしいコーヒーを味わえるお店で、大川沿いの席は眺めもよく過ごしやすいです」と宮嶌さんが紹介してくれた浅煎り専科のコーヒーショップ。大阪で多店舗を展開する『ELMERS GREEN』が、浅煎りコーヒーの良さを広げるために、新しいコンセプトショップとして5年前にオープン。世界各国のコーヒー産地から高品質なスペシャリティコーヒーを仕入れ、新しいコーヒーの味わいを体験させてくれる。大正元年(1912年)築の和洋折衷デザインの空間もお見逃しなく。

  • 常時5種類ほど用意される手作りスイーツ。お好みのコーヒーとご一緒に。スイーツ¥500~、ドリップコーヒー¥600~

  • 産地や精製方法が違うコーヒー豆を5種類ほどラインナップ。どれもその時に味わいたい旬なものばかり。¥900〜(100gから)

EMBANKMENT Coffee

大阪府大阪市北区北浜1-1-23

TEL : 080-4340-1701

OPEN : 12:00-18:00(平日)、9:00-18:00(土日祝)

HOLIDAY : 不定休

URL : https://elmersgreen.com/

INSTAGRAM : @embankmentcoffee

3. L’angolo
昼も夜も楽しめる街角の欧風料理店。

「ワインと合うメニューばかりでついつい飲み過ぎてしまいます。オーナーのしげさん夫妻の作る料理はどれもおいしいです」とオススメしてくれた季節の野菜料理とナチュラルワインが楽しめる欧風料理店。オーナー夫妻はフランス料理とイタリア料理の出身ゆえ、ワインはもちろんビールにも相性抜群の料理でおもてなししてくれる。昼は気軽にふらっと一品一杯からのアラカルト営業、夜はじっくり味わいたいおまかせコース(要予約)もあり、どちらも併せて楽しんでみたい。

  • パンに生ソーセージとチーズを乗せて焼いたイタリアのトスカーナ地方の料理。お酒のアテとして最適なメニューでビールでもワインでもマッチします。サルシッチャと吉田牧場カチョカバロのクロストーネ¥800

L'angolo

大阪府大阪市北区天神橋1-12-1

TEL : 070-1816-3597

OPEN : 13:00-17:00、18:30-23:00

HOLIDAY : 不定休

INSTAGRAM : @l_angolo_osaka

ポルトガルの作家Anna Westerlundのsuper dots jug ¥17600。ドット柄と持ち手に巻かれた紐とビーズが愛らしく、オブジェとしても

4. gallery,あるゐは
人の手で作られた美しきものをセレクト。

「定期的に素敵な企画展があることと、置いている器やアクセサリーが素敵なのでプレゼントを買う際によく利用しています」と宮嶌さんが紹介してくれたのは、1Fがショップ、2Fがギャラリーという、このエリアでは他に見かけないセレクションが楽しめるお店。インテリアデザインの仕事をしていた店主の大室さんが、素敵な作家の作品をピックアップしたいという想いで2年前にオープン。日本では取り扱いの少ない海外の作家から直接仕入れたものから、地元・大阪の作家ものまで、幅広く色彩豊かなプロダクトが揃う。

  • フランス・ボルドーの陶芸家、Elea LelimouzinのPlate Samekh large ¥10,120。ざらりとした質感といびつな造形により、不完全な美しさが表現された

  • Birbiraに別注したフラワーベース(“オムロ”L)¥30,800。白のみで表現する作品ゆえに造形が面白く、花が無くても楽しめる

  • 1Fの奥には大阪の作家、Birbiraに別注したタイルで組んだ壁“ビルビラウォール”が。馬が緑の中に佇んでいたりと、見ているだけで楽しくなる

  • ひとつひとつ手作業で織り上げられたcoyaのhand weaving tapestry ¥20,900。ワントーンで織りの違いだけで表現されているのが素敵

  • 建築や内装の素材として知られるコーリアンの生産余剰分を使用したサステイナブルな一品。AR.Mのブリッジネックレス¥18,700

  • 様々な色でアレンジできるポリマー・クレイ素材を使用した遊び心あるアクセサリーを手がけるHello Zephyrのチョーカー¥16,500、同ピアス¥8,580

  • 梅田香奈氏によるジュエリーレーベル、_cthruitのイヤーカフ¥11,000。ガラス素材によるオブジェのような佇まい

gallery,あるゐは

大阪府大阪市北区天満3-3-15

TEL : 06-7493-6702

OPEN : 12:00-17:00

HOLIDAY : 日曜〜木曜

URL : https://www.gallery-aruiha.com/

INSTAGRAM : @gallery_aruiha_

 

フランスのロワール地方のムスー¥1,000(グラス)。微発泡のワインでスッキリとした口あたりなので、ジュースのようなフルーティな味わいも楽しめる

5. Winestand Perche
ワインに特化した大人の社交場。

「一人で気軽に行けるお店なので、仕事帰りに寄ることが多いですね。常連さんも気さくな方ばかりでいつも楽しく飲ませていただいているので、ホテルの宿泊者さんにもオススメしています」と宮嶌さん。『Hotel Noum』から徒歩数分の場所にあるワインスタンドで、フランスでワイン造りの修行経験がある店主の木下さんが軽くて飲みやすいナチュラルワインを常時10種類程度をセレクト。ワインに明るくなかったり、ワイン自体が苦手だという人にも楽しめる一杯が用意される。ワインから始まる新しいコミュニティに出会いたいならぜひ。

Winestand Perche

大阪府大阪市北区天満2-3-2

OPEN : 17:00-24:00(平日)、15:00-24:00(土曜)、15:00-22:00(日曜)

HOLIDAY : 月曜(祝日の場合翌日休み)

INSTAGRAM : @winestand_perche

大量に入った擦りたての山芋が入ったれんげ亭特製のとん平焼き¥1,200。他で食べるとん平焼きとは別次元の食感と味わいが楽しめ、ボリュームも満点

6. れんげ亭
天満橋のお母さんによるポジティブ台所。

「お母さんの料理の素早さと美味しさにいつもびっくりしていて、特に山芋がたっぷり入ったとん平焼きがおすすめです。あと、メニューにはないものが色々出てくるのでいつもお任せで作ってもらっています」と宮嶌さんが“お母さん”と慕う店主の前田さんが17年前から営むお好み焼き屋さん。いつもポジティブな発言でサービス精神旺盛な“お母さん”にファンのお客さんも多く、海外旅行客からも認知されているほどのコミュニティスペースなのです。

れんげ亭

大阪府大阪市北区天神橋1-9-12

TEL : 06-6882-1100

OPEN : 11:30-14:00、17:00-23:00

HOLIDAY : 第3土曜

INSTAGRAM : renge_tei

7. 先杯
“先輩”と慕われる店主が営む居酒屋さん。

「カジュアルに楽しめる町の居酒屋さん?」という宮嶌さんの言葉通り、気軽にフラっと入れる町のランドマーク的なお店。木の香り漂う白木カウンターに奥行きのある店内には、焼酎から日本酒をはじめ、ウイスキーなどの洋酒もズラリ。料理は季節の食材を使ったものが中心で、それらのお酒と一緒に楽しめるものばかりが用意される。柔らかい人柄のご夫妻による空気感に魅せられる人も多く、今年で14年目と、長年愛されているのも頷ける名店。

  • 宮嶌さんがオススメする人参シリシリ¥660。人参とシーチキンと玉子を炒めた沖縄の郷土料理で、シリシリとは沖縄の言葉で擦るという意

  • お酒を美味しく楽しむために酒器も様々な作家の作品をセレクト。写真は富田啓之氏、馬川祐輔氏、黒川正樹氏によるもの

先杯

大阪府大阪市北区天満3-6-10

TEL : 06-7504-7814

OPEN : 18:00-24:00

HOLIDAY : 日曜・祝日

街に宿る長い歴史を大切にしながら、その静かな街並みに魅せられて集まってくる新しい人たちの空気を受け入れ、進化し続ける天満橋エリア。昔から商売を続けている会社やお店は元気に存在し、新たに商売を始める個性的なお店が増える。そして、それを求めて若い人たちが行き来するようになり、街の景色が変わっていく。そんな幸せなループがここにはありました。大川に沿った天満橋は大阪の街中では珍しく空が広く抜けたエリア。散歩がてら、ゆっくり歩いてみるのがおすすめです。

 

Text / Nao Takamatasu

Photo & Edit / Yuji Iwai

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