人口減少により、過疎化が進む地方自治体。そして少子化に伴い、歴史に幕を閉じた廃校施設。
奈良県の中央に位置する吉野郡下市町も過疎化問題に直面しているなか、昨夏に明るいトピックスが誕生した。
舞台は、2023年3月に廃校となった旧下市南小学校。「木と共に、きっと出会える」をテーマに、日本有数の銘木である吉野杉をはじめとした奈良産の木材を用いてリノベーションした『KITO FOREST MARKET SHIMOICHI』は、奈良県、そして下市町が持っている本来の魅力を発信する複合型施設だ。
1Fには、マルシェにレストラン、テイクアウトスタンド、ブルワリー。2Fの旧教室は、それぞれギャラリースペースやワークショップスペース、さらに木材を購入できるウッドショップも。3・4Fはレンタルスペースやシェアオフィスとして機能させた。また、広大な体育館はキッズスペース“WOOD PARK”として活用するなど、学校ならではの特性をフルに活用。
木材だけでなく、商品にも奈良県産へのこだわりを宿した。
食材が豊かな吉野地域で採れた、新鮮な野菜やフルーツ、加工食品にいたるまで、
そのほぼすべてが奈良のもので囲まれる。