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KAZE MACHI ROMAN

心地良い古着、センス。

エキサイティングな買い物。それはモニター越しでは決して得ることのできない体験である。何のために服を買うか。着ること以外に自分を満たせてくれるなにかがあれば、その服にもっと説得力を付加してくれるだろう。特に古着においては、その眼で見る・触れることで見た目には表れない“なにか”を感じるもの。それは恐らく、その店の空気や店主のセンスが反映されているからだと思う。

古き街並みの風情が残る大阪・昭和町の〈KAZE MACHI ROMAN〉は、まさに店主の顔が色濃く反映される古着屋。2000年代初頭の企業モノ、一風変わったデザインのL.L.ビーン、ラルフローレンのチノパン。どれも気負わずに着られる、いまに馴染むラインナップ、そして店主・飯田さんの“好き”が詰まったお店である。

取材時の一角は、アップルをはじめコンピューターやモバイルなどテクノロジー企業の白Tシャツのみがキレイにレイアウトされていた

  • 店主・飯田さんの特にお気に入りである〈L.L.ビーン〉は、ウエアやバッグのほか、ライフグッズもラインナップする

  • 〈KAZE MACHI ROMAN〉を象徴する余白のあるレイアウト。クリーンな空間が、古着の良さを引き立てている。

  • ファットなデザインと好配色が魅力。ナイキACGのアプローチ¥15,900

古着にストーリーを加える

店名は、はっぴぃえんどの2ndアルバムのタイトル「風街ろまん」からとった。「単なる古着と思われるかもしれないけど、自分自身本気で音楽をやっていたこともあって、どんなものにもストーリーを加えたい。なので、レイアウトには特にこだわっていて頻繁に変更しています。いつ来ても新しい空気を感じてもらいたいから」と店主の飯田 隆さんが言うように、訪れるたびに新鮮な気持ちで古着と向き合える。また、グラデーションカラーに並んだTシャツや余白を残したレイアウト、そしてすべての商品はとてもクリーンにメンテナンスされており、古着感というよりもどこか小慣れたムードに。なんといっても、ここに並ぶ古着は不思議な統一感がある。それはまるで店主の顔が反映されているかのような。古着は着るひとの表面のほか、内面をも映し出す。

  • 奥の窓からは気持ちの良い陽が差し込む。また、テラスでは不定期でイベントを開催する

  • モバイル&ブロードバンドサービスの「AT&T」から、大学の課題でトップになった生徒へ送られた珍リバースウィーブ¥19,800

  • L.L.ビーンのデイパック¥6,900。使いにくさと、愛らしいシルエットがかわいい

  • ジョンレノンとヨーコオノのピースベッドフォトをカラーでプリント。Tシャツ¥22,900

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