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民の物

旅で出会ったヨーロッパの日常。

遠回りすると普段見えなかった景色が目の前に広がる。移動距離と比例するように、新しい出会いが待っている。

好きなものを追いかけてどこまででも。

 

河原町通り沿いの細長いビルの最上階にある『民の物』は、店主の丹波 豊さんがベルギーやオランダ、東欧のルーマニア・ハンガリーなどを旅し、現地の蚤の市や古物店で見つけた古い生活道具を扱う店。窓から大文字山の稜線を望む開放感のある店内には、さまざまな時代・国の古い物が並ぶ。素材や出自こそ違えど、ここに並ぶ商品には統一されたムードが漂っている。

 

「小学生の頃から古着屋に行って服を買っていたように、昔から古い物が好きで」と丹波さん。年齢とともに古道具へ興味を持ち、蚤の市を頻繁に訪れるようになった。そんな“好き”を突き詰めていくと、行き着いた先はヨーロッパだったという。

 

古道具の旅はおよそ1ヶ月。山間部の村や、町の蚤の市を巡り、そこで得た情報から次の町へと足を運ぶ。

その移動手段は電車とバス。遠回りするからこそ、新しい出会いがある。

 

 

  • カップ&ソーサーやカトラリー。ドイツ製、オランダ製、ベルギー製など出自はさまざま

  • ヨーロッパ以外のものも出会いがあれば買い付ける。アメリカの選挙運動バッヂ 各¥1,650

  • 手描きの円とヴィンテージならではの独特な飴色が魅力。1970年代のベルギー製のプレート¥7,480

  • アフリカでは古くから魔除けとして信仰されている仮面の飾り ¥22.000

暮らしと古道具。

経年変化した素材感や風合いは、実際に日常の生活で使われてきたからこそ。

そして現代には見られない形状や色使いなど、古い物には挙げればキリがないほどの魅力が詰まっている。

 

白磁のマグカップやプレートは朝食に、編み籠には野菜を入れたり、グラスはディナーのお供として、木製の器にはお気に入りのアクセサリーを。そうやって実際に使うシーンを想像すると心が踊る。また逆に、一見すると何に使うのか分からないようなものでも、飾るだけできっと暮らしを鮮やかに彩ってくれるだろう。

 

民の手から手へと受け継がれてきた、愛すべき古いものたち。

その魅力をぜひ、あなたの暮らしにも。

 

 

  • フィンランド人デザイナーがデザインした、1970年代ドイツ製の12角形のマグカップ¥5,500

ルーマニアのお婆さんが手紡ぎで作ったという古布¥33,000

  • ヴィンテージならではのレトロな色柄。思わず連れて帰りたくなるような愛らしさがある

  • 丹波さんの妻であり、蝋燭作家の鈴木りえさんの〈リントヒトスジ〉。すべて手作りによるもので、ひとつとして同じ表情はない

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