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スキマ 大阪

靴と人生を歩む。

使えば使うほど、愛すれば愛するほど、自分の気持ちに応えてくれる。空気や雨、そして手で触れるほどに自分色に育っていく。デザインや素材の良さだけでなく、長年一緒に歩んでくれる革靴。浅草を拠点に、熟練の職人たちによって作られたレザーシューズやグッズを中心に展開する〈エンダースキーマ〉は、使うひとの人生とともに濃密な歩みをみせてくれるだろう。関西初の直営店である〈スキマ 大阪〉は、豊崎の築60年以上を数える木造平屋を選んだ。そして、多くの時間や文脈を経た唯一無二の空間を活かすため、もともとあった柱などの補強財や合板などには手を加えずに、新たなレイヤーを付加。改装ではなく「加装」されたこの広々とした空間に、エンダースキーマのプロダクトがフルラインナップする。

  • ヘアレザーを用いたドレッシーなサンダル“hairy cheak”や、アッパーにフラワーモチーフをあしらった“bloom babouche”といった、2023W/Sコレクションのラインナップ

  • フラスコなど実験用ガラス器に、編み込まれたベジタブルタンニンレザーを組みあせた“化瓶” ¥9,900〜など

美しく変化すること。

過去の名作をはじめとした工業製品をオマージュ、ヌメ革を用い職人の手で手工業により生産される定番シリーズ “manual industrial products”や、ジェンダーレスなシーズンコレクション、ダストボックスやフラワーベース、さらには文房具といった大小のレザーグッズなど、エンダースキーマのすべてを表現。

スタッフが数年履き込むことで美しく経年変化したモデルが展示されるなど、レザーの魅力を余すことなく堪能することができる。真新しいレザーは、使い込むほどに馴染み、キズ付き、そして自分だけのカラーとなる。そして、そのレザーは人生を豊かにさせてくれる。ここにはそんな魅力があるのだ。

定番モデルである、manual industrial products 04 ¥49,500。手前が約4年間履き込まれたもの。履き込むことで、えも言われぬ独特のツヤや風合いが生まれている

  • ウォレットやカードケースといたレザープロダクトも充実。プロダクトによって、製法をはじめ、レザーの素材や仕上げなど、多様なテクニックを使い分けている。

  • テーブルゲームセット ¥99,000。駒も台もすべてがレザー製の、ウィットに富んだプロダクト

Photo / Shimpei Hanawa 

Text / Masashi Katsuma

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