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Family Tree Bottles

今、“昔ながら”が新しい。

いつだって先人の知恵は偉大だ。1960年代までは、ワインの製法はすべてナチュラルだった。〈ファミリーツリーボトルス〉が大切にするのは、ワイン本来の味わい方。有機栽培・無農薬のぶどうのみを使用し、亜硫酸塩・防腐剤なし。手間ひまと時間をかけてブドウの力だけで天然発酵したワインは「風土が詰め込まれていて、土地の味がする」という。あまりろ過せずに作るので、色の違いや雑味が個性になる。小さな蔵元(ドメーヌ)が多く、キャラクターがしっかりしているのも特徴だ。

 

いま、ナチュラルワインが注目されるのは、その特別感と臨場感なのかもしれない。“昔ながら”に立ち返ってみれば、見えてくれるものはあまりにも多い。

フランスが持つ底知れぬポテンシャル。

取り扱うのは、藤井さんが個人的にこよなく愛すフランスのワインがメイン。どれだけ飲んでも、常に発見があるという。

 

魂をこめて作られたワインを扱うだけに、藤井さんもストイックで情熱的だ。「ナチュラルワインは、1年に1回しか作られない、農産物のように繊細なもの。生産量も限られているだけに、大切に伝えたい」。通販はせず、手渡しのみで販売するのも昔ながらのスタイル。今夜の夕食や週末の予定に合わせて、まずはおすすめをたずねてみよう。

  • ドメーヌ・ドゥ・ラ・ルーの”ペットナットロゼ”(2018)¥4,400。ジュラの中心部、アルボワから少し離れた場所で造られるピノ・ノワールのロゼ・ペティアン。心地良い酸味が特徴

  • クリストフ・リンデンローブの”マタン・フー”(2019)¥3,300。フランス・アルザス地方で造られる、爽やかな柑橘の果実味が軽快なミネラルワイン

  • フランス・ルーションで日本人夫婦が手がけるペドレス・ブランケス。2017年のファーストミレジムで作ったワインビネガー¥3,800

  • 繊細な粒が特徴の、柔らかな塩味が凝縮されたフランス製のソルト。レ・サリーヌ・ド・ミラックのセル・ファン・ナチュール¥1,300

  • ルノー・ボワイエの”サン・ロマン・ルージュ”(2019)¥8,580。フランスのブルゴーニュでは珍しい完全無添加。妖艶な香りから始まる究極のナチュラルワイン

Text : Mio Wajima
Photo&Edit : Yuji Iwai

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