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Books & Things

本について考える時間。

ひとつのことを思い、考える。

例えば、ひとりでゆっくり食事を楽しんだり、じっくりと音楽を聴くこと。

 

すぐ側にスマートフォンがある現代において、そういった時間はどんどん失われている。

 

鴨川にほど近く、骨董店が軒を連ねる大和大路通り。黒い看板が目印の路地の奥に佇む『Books and Things』。

ここには本をゆっくりと愉しめる時間がある。

 

チャイムを鳴らすと店主が迎えてくれ、履き物を脱いで畳にあがると、アート・デザイン・写真集など希少な古書が約700冊。

畳に座り、店主と話しながら好きなジャンルや写真のテイストを伝えると、それに沿った本をピックアップしてくれる。

  • アメリカの写真家ジョセフ・スザボの写真集“Alomost Grown”。ティーンエイジャーたちの日常を切り取った氏の代表作。¥38,500

  • 1950年代に刊行されていたアメリカの雑誌“GENTRY”。ファッションや車、アートなど当時のカルチャーを特集。¥8,800

  • スウェーデンのスーパーモデル“リサフォンサグリーヴス”の1930〜50年代の写真をまとめた一冊。¥6,600

  • ペンシルベニア州ピッツバーグのアンディ・ウォーホル・ミュージアムの開館を記念し出版された作品集。肉声が収録されたCDが付属。¥6,600

  • アフリカで生まれた伝統的なテキスタイルデザインをまとめた一冊。各国の温もりのあるテキスタルを知ることができる。¥5,500

  • 洋画家・猪熊弦一郎が蒐集したコレクションをまとめた一冊。アトリエや住居の紹介も。¥37,400

緊張感のある心地よさ。

「本はなによりデザインが重要だと思っているので、本の高さや色のバランスを重視したレイアウトにしています」と言うように、店主の本に対する愛情を物語るかのような、美しく本が並べられた棚。

 

そして丁寧な解説と、まるで習い事に来ているかのようなちょっとした緊張感。

時間を忘れてしまうほどのこの不思議な心地良さは、いままで味わったことがない。

 

スマートフォンを鞄にしまって、本をじっくりと愉しむ。そんな贅沢な時間もたまには良い。

古書のほか、著名なフォトグラファーが撮影したオリジナル・プリントも販売

Photo : Shimpei Hanawa

Text & Edit : Masashi Katsuma

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