「民藝の精神こそが人生の道標」と開眼し、自分たちらしくモノを選び並べるショップ〈HS〉を営む林さん夫婦。大阪で〈HS〉を始めたのは11年ほど前。作家に触れているうちに、民藝はもっと自由に表現できると考えはじめ、奈良の地にぽつんと小さなスペースを作った。選りすぐりの陶芸作品や生活道具が並ぶだけでなく、民藝、茶の湯、アートの三者がMIXする新しい空間だ。真っ白な展示販売スペースに対し、茶室は黒。「対照的にすることで、本当に美しいものはどこにあっても素敵なんだということを再確認できました」と林さん。
「自分たちがやりたいペースで、やりたいことを」と開催する、不定期の特別展もぜひ訪れてみてほしい。取材した日は、茶室で陶芸家・石井直人さんと現代アートの堀尾貞治さんの作品を同じ空間で見ることができた。