敷居も価格も高い、そんなアートへのヒエラルキーをなくしたい、とはじめた〈やまほん〉。20年前に三重県の伊賀でスタートし、京都のお店は11年目になる。ギャラリーでありながらショップであるフロアは、絶妙な緊張感と心地よさに包まれている。食器など生活にまつわる工芸品とアート作品を扱い、定期的に作家の展覧会を開催。作品が畳のスペースにセンス良く佇むさまは、〈やまほん〉の美意識を感じさせてくれる。
セレクトするのは国内のものが多いが、伝統的な手法やデザインだけにこだわらず、どれもモダンな空気を纏っているのも特徴だ。例えば、アンティークのカトラリーと一緒にしても洗練された雰囲気になりそうな器だったり、アレクサと並べても奥行きをもたらしてくれそうな花器だったり。うっとりするほど眺めていたくなる美しさでありながら、使って愉しめる。そんな良さがある。