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kokyu kyoto

自然の作り出す美しさ。

漆屋で出たゴミを重ねて置いたら、正体不明だけれど、相当かっこいい。
そんな“ゴミ”とピエール・ジャンヌレの椅子が同じ空間に並ぶ〈kokyu〉は、写真や絵画などの作家の展示を行うギャラリーだ。オーナー白鳥さん自ら、「素材を重んじる、物語のある作品」をキュレーションする。これまでは平松宇造さんの絵画や、泊昭雄さんの写真展なども。
魅力は、心地良さだ。白鳥さんが「人の入る余白が好き」と話すように、モダンな展示と「破壊寸前の」古物はゆったりと、センス良くスタイリングされている。
白鳥さんは、現役の美容師でもある。「心の豊かさってなんだろう?って考えはじめたんです。便利さで隠れてしまったプリミティブなものや、人間らしさ…。昔の暮らしにヒントがあるような気がして」。古民家の壁のムラさえ愛おしいとも言う。

  • この日は泊昭雄さんの写真展が開催中。丁寧に撮影された写真は、一枚一枚見入ってしまうようなストーリーを感じさせてくれる

  • 「福島の田舎で外に置かれたまま忘れられていた」という木臼。白鳥さんはそういったもののストーリーを想像したり、見立てたりするのがおもしろいと言う

呼吸を、深呼吸に。

〈kokyu〉のもうひとつの顔は、2階にある。1日3組限定で「呼吸スパ」を提供するヘッドスパサロンだ。インナービューティー、経年劣化を経年美として美しむという価値観はギャラリーに通ずる。「瞑想に近い、心のお手当てをする時間です」とスパニストの中馬さん。

 

メニューはひとつだけという潔さで、施術だけでなくアロマ選びや深呼吸まで、心身を丁寧に解きほぐしてくれる内容だ。「心と身体が調和することの美しさ、時の重なりを肯定するような時間になればと思います」。この空間でできる贅沢なスパに、さまざまな業界の人が足を運ぶと言う。出張中のご褒美にも最適だ。

東洋医学の全体感を取り入れ、ヘッドを中心に、ハンド・ボディも癒してくれる「呼吸スパ」は120分¥15,000。10時、13時、16時の3枠から、要予約

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