〈レイン〉は、大阪を代表する古着屋だ。27年前から東心斎橋に店を構え、オープン当初から変わることなくオーナーの大沼さんがバイイングしている。平日でも若いお客さんがひっきりなしに訪れるが、「古着は旬(ブーム)があるので、うちが特別というわけじゃない。今、古着がトレンドだからみんなやってくるんですよ」と、その表情は穏やかだ。
セレクトはいたってシンプル。大沼さんの好みを反映するだけ。それも、オープンから変わらない。バンドTはもちろん、ミリタリーやワーク、ハワイアンは40年代ものから、レディースシューズやアクセサリー、缶バッジまでとテイストもアイテムも“オールジャンル”。「ノンポリシーがポリシーという、アンビエントな店なんです。でもこうして探してやってくる人がいるというのが、おもしろいですね」。そこにずっと佇む大きな木のように、〈レイン〉は趣向やジェンダー、年齢、すべての人を受け入れる。