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RAIN

アンビエントな店。

〈レイン〉は、大阪を代表する古着屋だ。27年前から東心斎橋に店を構え、オープン当初から変わることなくオーナーの大沼さんがバイイングしている。平日でも若いお客さんがひっきりなしに訪れるが、「古着は旬(ブーム)があるので、うちが特別というわけじゃない。今、古着がトレンドだからみんなやってくるんですよ」と、その表情は穏やかだ。

セレクトはいたってシンプル。大沼さんの好みを反映するだけ。それも、オープンから変わらない。バンドTはもちろん、ミリタリーやワーク、ハワイアンは40年代ものから、レディースシューズやアクセサリー、缶バッジまでとテイストもアイテムも“オールジャンル”。「ノンポリシーがポリシーという、アンビエントな店なんです。でもこうして探してやってくる人がいるというのが、おもしろいですね」。そこにずっと佇む大きな木のように、〈レイン〉は趣向やジェンダー、年齢、すべての人を受け入れる。

スタイリングしたくなる。

〈レイン〉が今も愛されるのは、その懐の深さだけじゃない。2ヶ月に1度買い付けするため、定期的に訪れるといつもフレッシュな古着を発見できる。また、オープン当初から気をつかっているという手軽なプライスも魅力だ。なにより、注目したいのは「最近調子いい」というオリジナルのリメイクもの。オープン当初からクオリティの高いものをリリースしているというが、今の服と古着をつなぐ〈レイン〉らしい絶妙なセンスがここに詰まっている。スーパーワイドにしたTシャツや丈を長くリメイクしたデニムパンツは、ゆったりと着られるシルエットで、“古着っぽいのに今っぽい”。

古着は、狙ってその姿を作れない。自然体だからかっこいい。どの時代も、誰もがそんな古着に惹かれてしまう。だからこそキメすぎず、使いやすく。“着こなしたい古着”を求めて、今日も〈レイン〉にさまざまな人がやって来る。

  • リーバイス505のBIG’E’を足してショートパンツの丈を長くアレンジ。パッチワークは得意分野のひとつだという。¥17,380

  • 定評のあるリメイクシリーズ。1940年代のコットンシャツとオールドユーロのリネンシャツを組み合わせたシャツ¥11,880

  • アメリカ・USアーミーのモスキートネットをリメイクしたもの。レイヤードスタイルに活躍するトップス各¥14,080

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