ヴィンテージは今やラグジュアリーの域。501XX大戦モデルの黒味を帯びた深いインディゴを筆頭に、何十年以上も前の洋服は現在の技術をもってしても再現が難しいとされ、気が遠くなるような年月を経て今に残るワードローブは独特のオーラをまとっている。
そんな第二次世界大戦期のヴィンテージに魅せられた桒原孝之さんが営むのが『HOMIES』。
「今年でオープンして17年か18年かうろ覚えで」と白い歯をこぼして語る桒原さんは、朗らかな人柄でありながらも古着に対しては気骨。2ヶ月に一度はアメリカへ渡り、西に東に移動して冒頭の天文学級ヴィンテージを見つけだす。リーバイスの501はXX、BIG E、66前期と幅広く取り扱い、アメリカ軍のベイカーパンツは30から40インチまでの品揃え。THEヴィンテージというべき王道アイテムだけでなく、桒原さんが「ボロの美学」と設立時から集めるのが100年以上のダメージが投影されたワークウエア。朽ちた家屋から見つけたジャケット、炭鉱の中から掘り出したパンツなど、オンリーワンの名に相応しいアートピースのようなヴィンテージも手に取れる。