洋服とコーヒー。いまや珍しくないその組み合わせも、異国の風情を掛け合わせるとなんだか新しいものに映った。
飲食店や雑貨店など新しい店が続々と誕生している京都・五条エリアにオープンした〈cité〉は、オーナー・吉田明史さんと、台湾・台南出身の林 暖婷さん夫妻が営む古着とカフェの店。以前は写真館だった古民家を改装し、手前にカフェスペース、奥にヨーロッパ古着と器を配した店内は、京町家の歴史を残しつつも、クリーンでモダンなムードに包まれている。
服飾専門学校を卒業後、パターンの修行でパリへ渡り、約13年間暮らした吉田さん。パートナーの林さんはフルートを学びにパリの音楽院へ。2人を繋いだ地で買い付けた古着は、バーバリーやランバン、イヴサンローランなどのヨーロッパヴィンテージたちをメインにラインナップ。
「昔から古着を集めるのが好きで、時間をみてはパリの古着屋や蚤の市を巡っていたんです。とはいえ今みたいにウィメンズは買い付けていなくて、ほとんどがメンズで」と吉田さん。ひょんなことから、とある百貨店からバイイングのオファーを受けたことをきっかけにウィメンズのヴィンテージにも目を向けはじめた。
扱う古着はどれもコンディション抜群で、ヴィンテージ特有のヤレ感はほとんど感じられない。そしてパターンを熟知しているからこその上質な生地や、美しい縫製のアイテムがセレクトされる。