鰻の寝床のような長細い京町家にみられる、通りに面した一番目の部屋ことを“見世の間”と言う。
ひとに見せること、また見られることを意味するその部屋は、店主ならではのセンスが如実に表される場、とも言えるだろう。
JR亀岡駅から歩いて約8分の場所にある『MISENOMA』。もともと茶屋であった築120年以上の町家をリノベーションした空間に、店主の中濱雄斗さんがセレクトした日本各地の民藝品、日本製のヴィンテージ、ヨーロッパメイドのオブジェなどが見世の間を彩る。
生産国や誕生した年代など、一見すると和洋折衷、古今東西のジャンルレスなセレクトに映るが、どこか統一されたかのような不思議な空気が漂う。
その“不思議さ”こそが『MISENOMA』の魅力なのだ。