ときには満員で、全員が本を読んでいるときもあるという。ここは、井尻さんがひとりで営む喫茶店。「みんな、静かにコーヒーを飲んでいる。ひとりになりたい人を守ってくれる、そんな場所でありたい」と話すように、店内はカウンターメイン。ちょっと他ではないような店内の暗さも、そのためだ。時間が止まっているような錯覚さえあるから、おしゃべりしたりスマホを開くのも諦めてしまう。
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本読みが集まる静寂の世界。
ときには満員で、全員が本を読んでいるときもあるという。ここは、井尻さんがひとりで営む喫茶店。「みんな、静かにコーヒーを飲んでいる。ひとりになりたい人を守ってくれる、そんな場所でありたい」と話すように、店内はカウンターメイン。ちょっと他ではないような店内の暗さも、そのためだ。時間が止まっているような錯覚さえあるから、おしゃべりしたりスマホを開くのも諦めてしまう。
戦前からの歴史を持つ大阪のメーカー、富士珈機の直火焙煎機を使用。もちろん井尻さん自ら毎日焙煎している
深く余韻が楽しめるコーヒー。
スモーキーでしっかり濃いめのコーヒーは、一口飲むとじんわり心地よい余韻が広がっていく。まさにこの時間を愉しむための一杯だ。ドリップの音や豆の香りとともにゆっくり味わっていると、脳内が浄化されるような感覚になる。テイクアウトもしていないし、映えるスイーツもない。代わりに、レコードや本棚もおもしろく、静かなコーヒー時間でしか出会えないものがここにある。近所のおばさんがレコードの音に耳を傾けていることもある。黙々と、そんな言葉が似合う空間で、コーヒー一杯分だけ騒がしさから逃れる。普段つくろうとしてもつくれない大切な時間を、ぜひここで。
Text : Mio Wajima
Photo & Edit : Yuji Iwai
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© CC:OLORS
Photo by Takashi Hamada