STARDUST

「そんなことより…」と、出会って早々に店主の清水佳那さんは、デンマークの自治区、クリスチャニアの話をしてくれた。どこよりも早く国民投票で自然エネルギーを選んだ勇敢な国にあり、戦争を経ても自由なマインドが残る奇跡の地。「光だけでなく、やはり闇があるのに、絶妙な豊かさがあるんです」。清水さんはとても気持ちのいい人で、身をもって体験したその話は澄んでいて、引き込まれてしまった。

星屑を意味する〈スターダスト〉。お店にはクリスチャニアで見た希望の光と清水さんのこころが隅々まで行き渡って、詩のように輝いている。

天然素材でシルエットがきれいな〈コズミックワンダー〉〈ブラッククレイン〉のウエアや、波のようにゆらめく線を描くうつわ、想像力をかきたてる名前の茶葉…。清水さんの人柄に共鳴して、自然と物と人が集まった。

海外生活を経て、仙台で震災に遭い、京都へ移り住んだという清水さん。「日本が嫌になった時もありましたし、やっぱりどこか外国に憧れている自分がいました。それを京都での暮らしが癒してくれ、日本の美しさや大切なことを思い出させてくれたんです」。だからなのか、ここは世界と対等につながり、きらめくコミュニティを作っている。

元は西陣織の工房だったという建物は、奥がヴィーガンフードを提供するカフェに。定期的に開催するエキシビションとともにぜひ訪れて。

Text : Mio Wajima

Photo & Edit : Yuji Iwai