日本屈指の焼き物の産地、信楽で、異彩を放つ場所がある。広大な倉庫を改装してオープンしたのが5年前、〈ノタショップ〉は半分がショップでありながら、同じ(いやそれよりも大きい?)スペースの工房を構えている。圧倒的なスケールでものが大胆に、センス良く並ぶさまは、他のどこでも見たことがない。
「信楽は、粘土の特性から大きいものを作るのが得意。例えば、銭湯にあるつぼ湯などの陶器浴槽のほとんどは信楽焼なんです」と代表の加藤さん。実際、自社工房で制作する作品は、スツールなど大きなものであることも特徴だ。しかし実用品として知られる信楽ではなく、その大きさが持つ存在感などを生かして、ひとつあるだけで空間が豊かになるような、信楽のアート的要素を見出した。