そこには、ただ、美味しいコーヒーだけがある。お菓子やおしゃべりするテーブル席もない。紙やプラスチックのカップでは美味しさが伝わりきらないから、テイクアウトはやっていない。
カフェとしてスタートしたのが17年前。オーナーの金子さんはコーヒーの美味しさを見つめ続けた。産地での豆の選定、焙煎、抽出まですべてを行い、豆の多様性を出すためのシングルオリジンで提供。甘さと酸味が広がるクリアな味わいだ。淹れたてを軒先でいただくと格別。温度が変わると甘さの余韻があって、また美味しい。そうしてゆっくり味わっていると、今日の雨上がりの晴れた空が目に入ってきて、風がたてる緑の音が聴こえてくる。ここには、コーヒーを丁寧に愉しむことで出会える時間がある。