漆屋で出たゴミを重ねて置いたら、正体不明だけれど、相当かっこいい。
そんな“ゴミ”とピエール・ジャンヌレの椅子が同じ空間に並ぶ〈kokyu〉は、写真や絵画などの作家の展示を行うギャラリーだ。オーナー白鳥さん自ら、「素材を重んじる、物語のある作品」をキュレーションする。これまでは平松宇造さんの絵画や、泊昭雄さんの写真展なども。
魅力は、心地良さだ。白鳥さんが「人の入る余白が好き」と話すように、モダンな展示と「破壊寸前の」古物はゆったりと、センス良くスタイリングされている。
白鳥さんは、現役の美容師でもある。「心の豊かさってなんだろう?って考えはじめたんです。便利さで隠れてしまったプリミティブなものや、人間らしさ…。昔の暮らしにヒントがあるような気がして」。古民家の壁のムラさえ愛おしいとも言う。