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asagiri furniture

暮らしに想像を。

何か分からないものほど調べたくなる。そしてさらに掘りたくなる。古着屋で見つけたヴィンテージウェアのように、古い物はひとの心を動かす。

 

月日とともに刻まれたキズ、濃度が増した色。アメリカやヨーロッパのアンティークとも異なる趣の日本の古物。

先人たちの知恵や暮らしの風景を宿したそれらは、美しさすら漂う。『asagiri furniture』は、そんな所有欲をくすぐるものたちに溢れている。

 

店主・岡野さんは、東住吉区の金物・古道具の名店『つむぎ商會』で経験を積み、2019年に独立。

「当時は日常的に使われていたものでも、いまの時代だと使いにくかったりするものも多いです。そんな“クセ”みたいなものも古いものの魅力のひとつで、それらが暮らしのアクセントになってくれるんです」と岡野さんが言うように、軒先に吊られた実用的なカゴや特徴的な形状の花器からは、どういった考えから作られたのか、そしていまの暮らしにどう落とし込むのか。見るひとの想像を掻き立てるものたちがラインナップする。

 

 

 

 

 

 

 

 

  • フラワーベースのほか、古いアートブックや写真集も販売する

  • リビングやエントランスに飾りたくなる、様々な動物たちのオブジェ。飾るだけで日常を優しく彩る

  • 日本の古物以外に、アフリカの伝統的なアンティークも。コンゴ・キフウエベ族のマスク¥8,800

古い物を愛でる。

『asagiri furniture』は、全国各地で開催されている骨董市や蚤の市への出店がメインのスタイル。

住吉大社がほど近く、路面電車が目の前に走る長屋の実店舗は月に数回のみの不定期でオープンしている。

 

暮らしをより楽しくするヒントが散りばめれられた店内には、小さなガラス瓶や小皿といった実用性の高いものから、

一風変わったオブジェなど、ついつい手に取りたくなるものばかり。

 

古い物を愛でること。

それは日本人のDNAに刻まれた美しさのひとつである。

  • アンバランスな形状が特徴的な一輪挿し¥4,400。花を活けても、オブジェとしても存在感抜群

  • イルカの木製オブジェ¥2,200。ついつい触りたくなるような、愛らしい形状が魅力

※在庫や価格は取材時のものです

photo / Shimpei Hanawa

Text / Masashi Katsuma

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