昨年、僕のかかわる雑誌でナチュラルワインを特集した。関西中心の販売だったにもかかわらず、日本全国~老若男女問わず予想以上の反響で、昨今の人々の食への関心の高まりを、身をもって知ることができてうれしくなった。ステイホームの功名? コロナ禍だって悪いことばかりじゃない。
その特集を作る上で、昨今のワイン事情を聞くべくまず顔が浮かんだのが、『FUJIMARU WINE SHOP』の代表・藤丸智史さんだ。だから上述の特集には、藤丸さんから伺ったシーンの流れや昨今のブーム、押さえておくべき店など、現場の話が存分に反映されている。
まずは、藤丸さんの経歴をご紹介。大学卒業後、ホテル〜レストランのサービスマンとして勤務し、20代で海外へ。ヨーロッパにて3カ月、オセアニアにて2年、現地のワイナリーでワイン造りを経験。当時、サービスマンがワイナリーで働くのは異例中の異例だったそうだ。29歳で帰国後にワインショップを開店した後、日本初の都市型ワイナリー『島之内フジマル醸造所』を設立、日本のワイン・カルチャーを最前線で引っ張ってきたひとりだ。こうやってその足跡を書き連ねれば、超やり手の実業家…なんだけど、いざ実際にお会いすると、声のトーンも話すスピードものほほんとしていて、いつもズッコケそうになる…といったら藤丸さんに怒られるかな。とにかく、そんなマイペースな人柄だから、今回も真っ先に電話したのだ。「ナチュラルワイン特集? いいですね。久しぶりだし、どこかでワイン飲みながら話します? 明日どうですか?」。めちゃくちゃ忙しいはずなのに、このカジュアルさも僕が好きなところだ。で、久々にお会いした藤丸さんだけど……めちゃくちゃ日に焼けてません?